柿田明美COVID-19に罹患された多くの患者さんの皆様に心からお見舞いを申し上げます。
本学会員の皆様におかれましては、各施設で感染症対策を講じながら診療や病理診断を懸命に進めておられることと承知致しております。多大なご活躍とご尽力に学会として心からお礼を申し上げます。

2020年10月に、一般社団法人 日本神経病理学会 理事長に就任いたしました 柿田 明美(かきた あきよし)でございます。当学会は1960年に神経病理懇話会として第1回の学術集会を開催して以来、既に60余年にわたる長い歴史を有する学術団体です。

当学会のミッションは、信頼性の高い臨床病理診断を行うための知見や情報を提供し、また医学・医療分野としての神経病理学を推進することにあります。診断、研究、教育、社会の4つの基軸をしっかりと認識し活動してまいります。

当学会では、臨床神経病理学のスペシャリスト:認定医の育成に取組んでいます。年次学術集会では神経病理学の基礎を学べるプログラム:コアカリキュラム教育セミナーを開催しています。学会員の皆様のご尽力により、脳科学研究にとって重要なリソース:ブレインバンクは世界有数の規模へと成長してまいりました。専門誌:Neuropathologyを発行し、また当該分野のアジア・オセアニアを代表する学術団体として国際社会に情報を発信してまいります。

COVIDパンデミックは学術活動にも大きな影響をもたらしました。世界中のどの分野においてもデジタル・トランスフォーメーションに向き合う社会状況にあって、私たちも、学会や学術集会のより良いあり方について懸命な検討を重ねております。これには22名の理事を中心とした17の専門委員会がそれぞれ活発に活動を行なっております。

日本神経病理学会は、これからも学会員が協力して、また関連学会や大学等の研究機関あるいは関連企業等とも連携して、神経・精神疾患を有する方々のために、精一杯取組んでまいります。

一般社団法人 日本神経病理学会 理事長
柿田 明美
(新潟大学 脳研究所 病理学分野・教授)